君がくれたぬくもり
第55章 幸せの時
「ど、どしたの?
いきなり…」
あまりに唐突で、お茶を吹きこぼしそうになった。
「ん…いや、なんかさ…うん。たまにはどっか行くのも悪くねぇなって…///
明日、仕事ないしさ。」
顔をほんのりと赤らめ、小さな声でそう言う岳。
ほんと、いきなりどうしたんだろう。
「ふーん…どこ行くの?」
「さぁ…」
「えー!!ノープラン!!?」
「うるせぇ。
お前が行き先決めろ!!」
岳はそれだけ言うと、バタンとリビングを出て行った。
「岳、どうしたんだろ。」
隣で洗濯物を畳む怜香を見る。
目が合うと、怜香はニコッと笑った。
「何かね、岳兄今さら焦ってるの(笑)」
「え?」
「付き合って長いのに、恋人らしいこと全然してないって!」
あ…
そういえばそうだ。
前から思ってはいたが、陽菜たち、恋人らしいことしてないな。
デートとか…
初めてかも。