君がくれたぬくもり
第6章 煙草
そして陽菜は聞いてしまった。
あれは…
和哉のお友達数人と、和哉の家で飲み会をしていた時。
陽菜がトイレに立ち、部屋に戻ろうとドアノブに手をかけた時だった。
『あいつ…陽菜って不感症なんじゃねぇかな~?』
『はぁ~?(笑)
和哉くん、あんな可愛い子にそれはないわ。』
『いや、マジで!
お前も一回抱いてみ?
全然気持ち良くなんねぇんだって!』
笑い声が響く。
不感症………
その場に立ち尽くす。
どうしてこんな身体なんだろう……
大好きなのに…
どうして和哉を満足させられないんだろう…
もうここにいたくなかった。
「あ…陽菜?どこ行くの?」
「……帰る。」
「えっ、ちょ…!」
陽菜はかばんを持って和哉の家を出た。