君がくれたぬくもり
第56章 離れないで
「陽菜、何言ってんの?」
「だから…嫌いになったから早く帰ろうって…」
変だと思ったんだ。
岳がデートしたいって言うのは
恋人らしいことがしたいとかじゃなくて、
ほんとは陽菜と“最後の”デートのつもりだったんだ。
だから……
ポカンとしていた岳が口を開く。
「いや…違うし。」
……えっ?
「だって“もう無理”って…」
「いや…その無理じゃなくて……その……な?///」
岳は何故か赤面。
え?違うの?
「……鈍感//」
岳はクスッと笑うと、陽菜を抱きしめた。
「んっ……!?」
突然唇をふさがれる。
さっきしたのとは違う、熱いキスだ。
「んっ……は…ン///」
岳の舌が入ってきて
とろけるようにぼーっとしてくる頭。
岳は最後にチュッと音を立ててキスをすると、
今度は首筋に唇を這わせた。