Sカレっ
第12章 優×瀬真×瀬良
なんだか気分が晴れなくて、外に出た。
先生たちにバレないよう、そっと。
真っ暗な夜空に、浮くように光る星々。
綺麗………
「好きです」
へ?
目を凝らすと、奥の茂みから人影が2つ。
「瀬真くん、いつも津川さんの所いるよね」
「うん」
「そのたび、瀬真くんのこと見てた。好きなの…っ」
押し殺すような小さな声で、最後の好きという言葉を出す。
「ごめん」
「…なんで?津川さんには彼氏いるし、それじゃあ瀬真くんが可哀想…」
すると、辺り一帯に緊張が走る声が響いた。
「彼氏いるからって、諦めれるかよ!!!!」
瀬真くん…
「ぁ…ごめ………っ」
「いや、ごめん……。でも、本気なんだ、俺。だから…」
「うん。……可哀想とか言ってごめん」
そして、茂みから人が出てきた。
「…!!優ちゃ……」
「ご、ごめん!!盗み聞きするつもりじゃなかったんだけど…」
すると、彼女は驚くことを口にした。
「いいな、瀬真くんに想われてて」