Sカレっ
第12章 優×瀬真×瀬良
それはイヤミでもなく、負け惜しみでもなく、純粋に羨ましいという発言だった。
「ぁ―――」
「ぐすっ…じゃ…」
その子はそのまま暗がりに消えていった。
「なんだ、優ちゃんやっぱり俺といたいんじゃん」
瀬真くんが、茂みから出てきた。
「っち、チガウ!!!!」
ビシッと胸の前で×印を作った。
「…動機は不純だけどさ」
ポツリと瀬真くんが呟く。
「最初瀬良が優ちゃんに目ぇつけて、俺も半分遊びだったんだ」
なにそれ…。
やっぱり、遊びなんだ。
「俺たち、自慢じゃないけどこの通りだろ?絶対優ちゃんも内心喜んでたりとか、彼氏より俺らをとると思ってた」
「はぁ?」
腹が立って、跳び蹴りをお見舞いしてやろうかと思った。
すると、瀬真くんはあわてて、
「違う、違う!!!!…それでも、やっぱり翔って彼氏を想う、一途な優ちゃんが好きになった」
………………。
「…あたしは、翔が好きだよ」
「うん…」
「遊び半分で女の子たちの気持ち弄ぶなんて最低!!!!」
「うん…。ほんとにごめん」
「でも!!!!」
「……?」
「ちゃんと正直に言ってくれたから、許す!!!!」