Sカレっ
第9章 初恋
「真琴…」
沙耶華と、知らない男が抱き合っていた。
マコト………
聞いたことある。
沙耶華と幼なじみで、竹下病院の息子……
俺は驚きのあまり、その場に立ち尽くしていた。
すると、男は我に返り、沙耶華から離れた。
「ごめん、沙耶華っ!!彼氏いるのにこんなこと……。でも俺は――――」
ほっと安心した。
真琴って奴の片想いかよ……
だけど、それも束の間、
「真琴…好きだよ……栄汰よりも。好き…真琴……」
耳を疑った。
今、沙耶華なんて言った??
「え、沙耶華??お前何言って…」
俺と同様に驚く真琴。
しかし、沙耶華は今度は言葉で表さなかった。
「真琴……」
沙耶華は真琴にキスをした。
「沙耶華…??」
「真琴、あたしを抱いて。あなたのモノにして……」
沙耶華は潤んだ目で、真琴の手を引き、そのまま家へ入っていった。
俺は全身から力が抜けていき、何も考えれなくなった。
「……沙耶華…」
俺は沙耶華に捨てられた。