 
Sカレっ
第9章 初恋
今考えると、竹下病院に沙耶華は入院してて、沙耶華と真琴は毎日のように顔を会わせていたんだろう。
俺が見舞いに行く回数がもう少し多かったら、沙耶華は今も俺と……??
それとも、どっちにしろ、真琴って奴を選んでいた??
どっちにしろ…
『え??竹下真琴??』
『幼なじみよ。』
『あたしは、栄汰が好きよ』
『栄汰、好きよ』
沙耶華が真琴を家へ入れたあの日から数日後…何気なく真琴の話題をふった。
すると、沙耶華はニコニコして、俺が好きだと言った。
――お前も、結局他の女と一緒だな
『沙耶華、別れよう』
今も沙耶華を思い出す。
嘘をついたあの時ではなく、会ったあの瞬間の、あの沙耶華の―――
――あたしたち、なんだか似てるね!!――
あの嬉しそうな、独りだった悲しみを押し殺して笑ったあの笑顔を……
沙耶華はあの時、本当に俺を自分と重ねたのだろうか……?
 
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