Sカレっ
第12章 優×瀬真×瀬良
……でも。
やっぱり中庭へ行こうと思ったのは、心のどこかで瀬真くんに嫌われたくないという考えがあったからだと思う。
「……優?」
振り向くと、江奈が元気なさそうにあたしの名前を呼んだ。
「なんで中庭にいるの?」
あたしは苦笑いを返し、江奈と少しだけ話をした。
「優ちゃ~ん」
来た。
いつもと変わらず、ニコニコしながら瀬良くんと瀬真くんは駆け寄る。
「まぁ、昨日はお遊びだよ。それより、俺は今からちょいと美人チャンとデートなんだ。またな」
そう言い残し、瀬良くんは中庭から出て行った。
「……で?話って、何?」
瀬真くんは、あたしの切り出しに少しギクリとしたみたい。
「ぁ…えーっと……。俺、優ちゃんのこと本気みたいなんだ。だから、俺と付き合うこと、考えてくれないかな?」
数秒間硬直した後、口をゆっくり開いた。
「…でもあたし……彼氏いるよ」
すると、瀬真くんは笑った。
「彼氏がいても、関係ないよ。好きなんだ、優ちゃんが。本気で」