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「そして、そのくせ取り返したあとはそれにまた興味をなくす。
違うかい？」

「そんな子供の頃の玩具の話でしょ、それ……」

「同じだよ。自分の下僕、玩具、所有物程度にしか考えていなかった僕が近づかなくなり、彼女が出来たと思ったらすぐに取り返そうとやって来た。
おんなじじゃないか？」

姫野は千紗の背後で歩くのをやめ、立ち止まる。

「そんなんじゃないよ……光太君……私はただ、光太君と仲直りがしたくて……」

千紗は振り返らずに答えた。

それは彼が恐かったのもあったが、それ以外の理由が大きい。

彼の言っていることは、恐らく正しかったからだ。

光太の目を見たら嘘が全て崩壊してしまいそうだった。