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それでも恋するドM娘

第7章 ショートヘア

寺居はガタッと椅子を引き、驚いた顔のままで千紗に近づいてくる。

そして千紗を取り巻くクラスメイトの輪に入り、改めてまじまじと千紗の顔を見つめていた。

「……似合うな、それ」

ようやくいつものような感情がない顔に戻った千紗はそう呟いて、席に戻っていった。


「あ、ありがとう……ございます」

千紗は寺居の背中にそうお礼を告げる。


彼の思いがけない反応で、千紗はその日一日をドキドキした気持ちで過ごすことになった。


しかも、朝のその反応は偶然ではなかったようで、その日は何度も千紗は寺居と目があった。

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