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それでも恋するドM娘

第8章 代用品

その夜、千紗が鍵を見詰めながらいつまでもにやにやしていたことは言うまでもない。

随分と急な展開ではあったが寺居とこうして繋がれた現実が夢のように思えた。


寺井からもらった髪飾りをつけ、またにへーっとだらしない笑顔を見せる千紗。

しかしその時脳裏に朝霧の顔が過った。


千紗を性的にいたぶる朝霧の淫靡な無表情が急に悪魔のような恐ろしさをもって千紗の不安を掻き立てた。

『私はもう、寺居君の彼女なんだから』

千紗はきゅっと唇を噛み、意を決した表情になる。

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