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それでも恋するドM娘

第8章 代用品

「わっ……可愛い寺居君」

アルバムの中の中学生の寺居は今のような刺々しさも少なく、幼さを残した顔立ちであった。

千紗は微笑みを浮かべながらアルバムを捲る。

と、その一ページに写真が挟まっているのに気付いた。

千紗は何気なくその写真を手にして、凍りついた。


「……ッッ!!」

その写真は寺居と、その腕に絡まるように抱きついた女の子が写っていた。

どう見ても恋人同士という親密さが写真からは窺える。

寺居は照れた表情で笑っていた。

今のように斜(はす)に構えたような、嫌世的な皮肉な笑みでなく、屈託のない笑みで写っていた。


それより問題は、隣に立っている彼女の方であった。

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