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「悪趣味ですよ。人が泣いているところを描くなんて」

「感情が剥き出しになっている姿が一番美しいって、佐倉さんはそう思わない？」

「……え？」

「昨日の佐倉さんはそんな儚い美しさがあった。だから僕は描かずにはいられなかった。それだけの話だよ」

富士見は華奢な身体の細く長い脚を組んで千紗と向き合う。

「なんてかっこつけたけど、本当はただ単に佐倉さんが可愛いから描いただけなんだけどね。パンツもチラッと見えていたし」

「んなっ……」

「嘘だよ」

顔を真っ赤にした千紗が反論する前に富士見はからかうようにいなす。