テキストサイズ

それでも恋するドM娘

第9章 対峙

もう間もなく夏休みというある日。

千紗は机の中に封筒が入っていることに気がついた。

殺風景な白い封筒。

中を見なくても誰が入れたものかはわかる。

問題はその中身だ。

寺居と別れたからといってすぐに朝霧に乗り換えるほど千紗の心はしたたかに出来ていない。


あの日以来寺居は学校に来ていなかった。

直接顔を会わせて話し合うということから逃げ続けていた千紗にとっては都合のいい状況に甘えて、問題をずるずると先伸ばしにしていた。

しかしいつまでもこのままでは前に進めない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ