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それでも恋するドM娘

第10章 安らぎの代償

姫野はぽーっとした千紗の脇に寄り添うように寝て、腕枕をしてくれた。

姫野の顔を間近で見た千紗は、今さらながらドキドキとして照れた。

「千紗……」

姫野の女子のような綺麗な肌に思わず見蕩れてしまった。

「光太君、キス……しようか?」

ちゅっ……

ふたりは唇が軽く触れるキスをする。

「わざと気のある振りなんてしなくても僕はいつだって千紗にキープされてるから、安心して。辛くなったらいつでも僕のところに来ていいんだよ」

「光太君……」

「千紗が甘えてくるのは僕だけだって、知ってるんだから……だからさ、僕には好きなだけ甘えたらいいよ」

「……うん」

光太君の彼女になりたい。

危うく出かかったその言葉を慌てて飲み込んで、黙って姫野の肩に寄りかかった。

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