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千紗は悶々とした夏休みを過ごしていた。

海に行った日の出来事は今考えても恥ずかしくなるし、どうかしていたと反省している。

朝霧と姫野。
感じさせた方が勝ちなどと言う得体の知れない勝負をして、結果としてひどく姫野を傷つけてしまった。

しかし千紗もあの日、確かに自分の気持ちを確認できた。



自分は確かに朝霧が好きだ、ということを。


姫野のことが嫌いなわけではないし、むしろ好ましくさえ思っている。

しかし朝霧を思う気持ちとは違っていた。

朝霧の体に自分は反応してしまうし、身体と心はやはり切り離せない。

自分は朝霧を欲してしまっている。

千紗は確実にその事実を実感していた。