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モヤモヤしていた自分の気持ちがはっきりした。

普通ならばそれでスッキリするはずである。

しかし千紗の心は以前より曇っていた。


姫野を傷つけてしまったこと。

そして朝霧の気持ちが解らない。

このふたつが頭を悩ませていた。



朝霧に書きかけたメールをまた消した。

自分の気持ちに気付いても。

「好きです」

その一言が言えない。

もちろん寺居との恋愛が悲しい結末を迎えたばかりと言うこともある。

あの出来事は千紗を恋愛に臆病にさせた。


しかしそれ以上に言い出せない理由もある。


それが朝霧の心だった。