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電話ボックス

第1章 一

いつものように僕はそこを通る。

夜になれば、人通りの少ないその道を僕は少し急ぎぎみに歩いていた。

吹き出してくる汗を拭いながら、電話ボックスに視線を向ける。

その時、女の姿が見えた。

誰もいないはずなのに。
僕は立ち止まりそれを見る。

やはり誰もいない。

蛍光灯が中を照らしている。

人がいればわかるはずだ。

気のせいだろうか?

僕はもう一度それを見る。

誰もいない。

目の錯覚?

疲れているのだろうか。
気になりつつも、早くここから去った方がいいように思え、歩き出した。


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