テキストサイズ

甘く溶かして。

第1章 矛盾

今日はクリスマスイブ。

親友の百合香と一緒に
きらきら光る宝石のような
街中をはしゃぎまくった
あたしたちはテンションMAXのまま
帰宅。

家は逆方向。

あたしたちは時計と噴水のある
広場で別れた。

百合香は彼氏持ちで
明日は遊べない…。

「いいなぁ…」

あたしも一応彼氏は居る。
明日も会う約束はしているけど
最近ちょっと素っ気なくて。

彼氏とラブラブな百合香が羨ましい。

さっきまでの面影は
だんだん曇っていく。

帰宅途中、
いつの間にか人気のない
入り組んだ小道に入ったとこで

「ねぇ君、1人?」

男の人の声がしたと同時に
腕がぐいっと引っ張られ
声の主と対面。

「きゃ…っ」

男の人に追い詰められ、
あたしは塀にもたれる。

「おわっ、結構かわいーね」

ふわっとあたしの前髪を触る。

これがナンパって言うのかな?

あたしは男の人の腕に挟まれて
すっかり逃げ道を失った。

「見たとこ1人だし、
そんな顔して…もしかして
男に振られちゃったぁ?」

ひひひっと男の人が笑う。

怖い…。
なんか怖いよ…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ