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甘く溶かして。

第1章 矛盾

「そんな君には、
俺がイイコトしてあげるよ…?」

そう言って
あたしの顎にそっと触れ、
くいっと引っ張って口と口を
重ねようとした。

「嫌ッッ!」

「って…」

持っていた水玉模様のバッグで
触ってきた男の人の頬をぶった。

男の人はぶたれた頬をおさえて
あたしをキッと睨んだ。

「女だからって容赦しねぇよ!」

そしてぐいっと強引に
あたしの唇を奪おうとして

「…ぁんだお前」

その言葉にあたしは、
怖くて咄嗟に瞑ってしまった
目をゆっくり開けた。

目の前にはすらりときれいな掌。

辛うじて付いてないほど近くにある。

その手の主は
黒髪の癖っ毛で
イケメンではあるが
年下のようにかわいい顔をした
男の人。

どっかで見たことあるような…?

「誰だって聞いてんだよ!」


「……こいつの彼氏」

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