
甘く溶かして。
第3章 ホワイトクリスマスーココロの崩壊ー
「・・・っほら、もう食べ終わったでしょ!
さっさと帰って!」
「駄目だよ」
吉野はあの時と同じ表情や口調で
そう言った。
―――――どきっ
・・・どきって何よ!
どきって・・・。
あの時のこと思い出しちゃうじゃん!
「駄目って・・・。
あんたがあたしん家にいる方が駄目でしょ」
「だって若菜のおばちゃん言ってたよ?
若菜一人にしないでって。
夜も危ないから泊まってって」
マジですかお母さん。
そんな遺言残さないでよ。
(㊟まだ死んでません)
「ッ大丈夫だから!
あんたが居た方が大丈夫じゃないし」
「え、何?意識してんの??」
くっそ、
こいつ全く可愛くないし!
「とにかく!自分の家に戻って!
あたし行くとこあるんだから」
と、椅子にかかっていた
自分のパーカーを羽織り
出かけることを強調する。
「え、どこに??」
「言わない!」
そう言いつつ、
無理やり吉野を雪の降る寒い外に
追い出した。
「よしっ」
その言葉と共に意を決し、
これからあたしは・・・
―――重大な任務に取り掛かる。
