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甘く溶かして。

第3章 ホワイトクリスマスーココロの崩壊ー


待ち合わせ時間は午前10時。
現在午前9時50分。
10分前に到着した。

落ち着かなくてそわそわする。

自前の手鏡で髪の毛をチェック。
ささっと整えて手鏡はしまう。
腕時計で時間を確認すると55分だった。

あと少し…っ

そう思った瞬間―――

「―――待った?」

と、
あたしの後ろから声がした。

少し吃驚して振りむくと

「ッ先輩!」

声の主はあたしの2つ上の乙梨先輩。
あたしの彼氏。

「いえ、ちょうど今着いたとこです」

内心焦りつつ平静を装い微笑む。

先輩の好みはしとやか系女子!

真実、嘘ではないけど、
少しだけ演じてる。

「そう。じゃあ行くか、ついてきて」

「はい」

やっぱり態度が素っ気ない。

むっとしても表には出さず
内側で止めておく。

初めて先輩の家に行くため
1歩進むごとに、
先輩の家に近づくごとに
緊張の糸がぴんと張っていく。

先輩は
学校でカッコいいランキングトップ5
のイケメン。

こんなあたしが
カッコいい先輩と付き合えてるんだから
頑張らなくちゃ!

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