
甘く溶かして。
第3章 ホワイトクリスマスーココロの崩壊ー
「っお前ら!
遊びで若菜を相手にできると思うなよ!」
その言葉と共に殴りかかっているのは
―――っ吉野・・・っっ!?
「若菜はお前みたいな奴のためにでも
一生懸命頑張ってたんだよ!!
その想いを踏み躙って若菜を泣かすんなら
俺が許さねぇ!
お前らなんか―――「吉野っっ!」
「・・・若菜!?」
あたしは小道の入り口に堂々と立ち、
吉野の名前を叫ぶ。
その声に驚き、
先輩があたしの名前を叫ぶ。
「も、いいよ。もぅ・・・いいから」
「・・・・・っ」
あたしは
吉野に殴られて尻餅を搗いている
先輩の真正面に立った。
「短い間でしたが
ありがとうございました。
いつからか、
先輩なんてどうでもよかったみたいです」
そう言い残してあたしは自分の家の方角
噴水広場の方に走っていく。
