テキストサイズ

甘く溶かして。

第4章 ホワイトクリスマスーココロの余熱ー



「―――ん、大丈夫か?」

少し落ち着いたので顔をあげると
先程からはらはらと舞っている雪が
あたしの紅くなった鼻や目を冷やす。

そして、あたしの顔を
心配そうに眉を歪めた吉野が覗き込む。

まだ目は乾いてないらしく、
多少ぼやけて見える。

「うん・・・平気・・・・・・」

あたしが尻すぼみに言いながら
密着していた体を離そうとすると、
あたしの右手が吉野の左手に奪われた。

「・・・っっ」

吃驚して俯きかけてた顔をあげると
さっきのカオはどこへやら。

にかっと笑う吉野の顔があった。

「帰ろ?」

そう言って
そっと触れていただけの手が
しっかりと繋がれた。


まるでもう二度と、


―――離さないというかのように―――


ストーリーメニュー

TOPTOPへ