
甘く溶かして。
第4章 ホワイトクリスマスーココロの余熱ー
「実はね、あたし…昔いじめられてたの」
帰宅途中。
私は爆弾を投下した。
「えっ」
吉野がきゅっと手を強く握って反応した。
「何かあたし可愛いみたいでさぁ。
女子に僻まれちゃって・・・。
……その時助けてくれたのが先輩。
いい人だと思ったんだけどなぁ・・・」
先輩との関係。
それをしっかり、
吉野にも知ってもらいたかった。
―――沈黙。
これは吉野が一番嫌がる雰囲気だね。
でも、何喋っていいかわかんないよ…。
また、自然に頬を伝う涙。
それを手で拭おうとした。
その時―――
