
夢幻の蜃気楼
第3章 異変
何がどうなっているのか、頭が軽いパニックを起こしている。
「あ、あの……ここは一体……」
辺りは暗く、外気は冷気で包まれていた。
その冷気に触発されたからか、ブルルと全身が震え、頭がズキズキと痛みを増してきた。
僕を見下ろしている二人の男の背後には見慣れた石段。
その石段を見て、僕は自分の身に何があったのか、やっとのことで理解した。
そうだ。僕は石段を踏み外して落ちてしまったんだっけ。
嗚呼、そのまま気を失って、倒れていた僕を見つけたこの二人が心配してくれたってことなんだな。
僕の中でやっとそこまでまとまれば、途端に意識は落ちた時にぶつけた腰や腕などが痛覚を訴え始めた。それに頭痛もおさまらない。そっと右手で痛む後頭部に触れてみれば案の定大きなたんこぶが出来ていた。
最悪だ。なんて最悪な日なんだ。
「何とか生きてるようだな」
髑髏のピアスをした男が僕の生存確認をする。
そういえばこの人たちに起こされたんだっけ。きっとこの人たちがいなければ僕は凍死していたかもしれない。そう思うとぞくりと震え上がる。
この人たちにちゃんとお礼を言わなくちゃ。
「ありがとうございます」
僕が礼を述べると、二人は面食らったような面を見せ、すぐにお互いの顔を見合わせ、同時に笑い出した。
「ははっ、こいつはいいや!」
何が可笑しいのかさっぱり分からない僕は、ただ二人を見入るしかなかった。
「あ、あの……ここは一体……」
辺りは暗く、外気は冷気で包まれていた。
その冷気に触発されたからか、ブルルと全身が震え、頭がズキズキと痛みを増してきた。
僕を見下ろしている二人の男の背後には見慣れた石段。
その石段を見て、僕は自分の身に何があったのか、やっとのことで理解した。
そうだ。僕は石段を踏み外して落ちてしまったんだっけ。
嗚呼、そのまま気を失って、倒れていた僕を見つけたこの二人が心配してくれたってことなんだな。
僕の中でやっとそこまでまとまれば、途端に意識は落ちた時にぶつけた腰や腕などが痛覚を訴え始めた。それに頭痛もおさまらない。そっと右手で痛む後頭部に触れてみれば案の定大きなたんこぶが出来ていた。
最悪だ。なんて最悪な日なんだ。
「何とか生きてるようだな」
髑髏のピアスをした男が僕の生存確認をする。
そういえばこの人たちに起こされたんだっけ。きっとこの人たちがいなければ僕は凍死していたかもしれない。そう思うとぞくりと震え上がる。
この人たちにちゃんとお礼を言わなくちゃ。
「ありがとうございます」
僕が礼を述べると、二人は面食らったような面を見せ、すぐにお互いの顔を見合わせ、同時に笑い出した。
「ははっ、こいつはいいや!」
何が可笑しいのかさっぱり分からない僕は、ただ二人を見入るしかなかった。
