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夢幻の蜃気楼

第3章 異変

***


急激な悪寒と痛覚に襲われ、僕は一気に覚醒した。


「おっ、やっとお目覚めだぜ」
すぐ近くから声が聞こえた。聞き慣れない声だ。

重たい目蓋を開けば、広がるのは暗いぼやけた世界。
何度かまばたき、自分がどういう状況なのか理解しようと何とか試みる。


「……ここは……?」
声にしてみると掠れているのがわかる。
やっとクリアになる視界の中に入ってきたのは、変わらない真っ暗な世界と、そして見知らぬ男の二人だった。

両耳に髑髏のピアスをした、少し頬が痩せこけている男と、もう一人は赤く染めた髪の毛を後ろで一つにまとめていた。二人とも年齢は20代後半から30代前半といったところだろうか?

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