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麗しの蓮の姫~炎のように愛して~【BL】

第3章 孤独な貴公子

 準基に腕を掴まれた時、あの男の手も熱かった。自分は義兄のこの手の温もりと、あの男の手の熱さのどちらを大切に思うのだろう?
 いや、差し出されたその手のどちらを自分は取るのだろう?
 いや、どちらも自分にとっては比べられないほど大切なものだ。
 その時、浄蓮は愕然とした。
 秀龍は自分にとって特別な存在のはずなのに、その秀龍と比較するほどに、既に任準基は自分には大切なものになりつつあるのか。
 再び想いに沈み込んだ浄蓮を、秀龍が不安そうに見つめている。その労るような慈しみに溢れた視線は、兄が大切で可愛くてならぬ弟を見つめる、まさにそのものだった。

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