どうして?僕が攻めじゃ不満なの?
第2章 化け猫+悪魔=笠井歩
朝、何故か昨日は眠れなかった。
昨日、
「もしもーし、僕だけど穂浪くん?」
「あ…ぇ!?…歩くん、何で!?」
知らない間に携帯番号やらメールアドレスやらを調べて、僕に連絡を寄越してきたらしい。
「穂浪くん、僕達さ付き合ってるんだよね?」
ん…?…
「え?と、違うよ?」
歩くんたら何を言っているんだろう…
僕と歩くんは、何にも無い…
今日は、たまたまじゃないか…しかも、愛してくれる?って聞かれてついつい抱きついちゃったけど、あれは…ね?成り行き…みたいなので…それに、僕なんかが歩くんの側に居たら絶対皆から不満がられるよね。
「そっか、じゃあ奴隷?」
「ん?…いやちょっ」
「だよね、奴隷かぁ~。地味眼鏡単細胞穂浪くんにピッタリだね。」
待て待て!!weight!!
可笑しい…付き合うよりもおかしい…
奴隷?何故?
「いや、だから待っ」
「じゃあ、明日早く学校来てよー、おやすみー」
ツー…ツー…ツー…
なぜ切る?
何故話を遮る?
そして、僕は同意じゃないうえで、歩くんの奴隷に昇格(?)することになった。
本当の歩くんと、今までの歩くんを両方見た僕はこの状況を理解できずに、ただたださ迷ってぼくはどうすれば良いのか、僕と歩くんの間にあったことは世として良いことなのか…勿論、良いわけが無かろう。
此処は日本で、僕と歩くんは男で…それはつまり、僕と歩くんの間にあったことは日本では認められていない…世間体が許さなかろう。
「あぁっ…僕は何てことを…」
そんな風に、僕の死闘は朝日と共に幕を閉じ、今に至る。