どうして?僕が攻めじゃ不満なの?
第7章 形勢逆転!!にはなりませんでした、普通に。
「歩くーん、僕の中ってどんな感じなのー?」
僕がシャーペンを口と鼻で挟みながらなんとなく聞くと、歩くんは持っていたシャーペンをポトっと机の上に落として、驚いたような顔をして僕を見る。
ちなみに、今僕達は学校で課題をやっていた。
「穂浪、頭打った?」
頭を撫でつけられながら言われるけど、僕は頭なんて打って無いし、別に変でもない。
「ううん。ただ、気になっただけだから。」
僕の頭を撫でている歩くんの腕を突っぱねて、僕はシャーペンを耳にかける。大工さんみたいに。
「へぇ~、気になるの?」
「うん。」
意地悪に聞いてきた歩くんの方を振り返って、投げ捨てるように答えた。
「なんで?」
「僕、女体とも経験無いまま歩くんとセックスしたから、人の中をよく知らないんだ。」
ショボーンと効果音が付くぐらい沈みながら言う。
「人の中って(笑)…でも、穂浪の中は、いつも興奮してるせいか凄く熱いし、僕を離すまいと締め付けてくるよ。」
「ふむふむ…って、いつも興奮してるわけじゃないよ!!」
歩くんはワザと意地悪く言ったのを知ってて、顔を赤く染めながら否定する僕は馬鹿なのだろうか…馬鹿なのだろう。
「んで、何でそんな気になったの?女とシたくなったの?」
片肘付いて僕を見つめてくる歩くん。
その顔は、少し不満げ。
「そーゆー訳じゃないんだよ?ただ、気になるだけ。」
僕の目の前にある顔を見つめ返しながら答えれば、歩くんは鼻で笑った。
「結局、気になるんでしょ?」
悪魔のような顔はニヤついて、絶対何か企んでるよ…ってすぐ分かった。
「そ…だけど、なん「じゃあ、僕が女を用意してあげるから抱いてみなよ、穂浪。」」
「え!?…ゃ、無理だって!」
そういう事でしたか。
女の人を抱かせますか。
「無理じゃないよ、僕も見ててあげるから。ね?穂浪。」
これは…、僕の中での未知なる遭遇…体験だ…。
ジワジワと手の平に汗が吹き出ているのが分かる。
挑戦的な目で僕を見てくる歩くんを、僕は眉を寄せながら考え込むようにして歩くんを見ていた。…というか、もしかしたらにらんでいたかもしれない。