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恋した相手は痴漢です

第4章 好きなんだよ

日の暮れた夏の夕闇を闇雲に走った。
この辺りに詳しいわけでもなく、自分の横を颯爽と過ぎていく車のライトを見ながら息が苦しいのか、胸が苦しいのか

ただひたすら走る

ようやく足を止めた先は小さな公園

滑り台と木のベンチが置かれた空間

はぁはぁと次々込み上げる熱を肩を揺らして逃していく

走って走って・・それでも頭は鮮明に遥の言葉を繰り返し反芻していた

「私も同じ・・・?」
ペット?・・・

契約の時に言われたぼくのものって、つまりそういうこと?

好きとか・・そんな感情なんかじゃなかった?・・・

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