続・捨て犬
第6章 ごめんな……エミ
「エミ・・・」
「・・・・」
「バイト・・行くか?」
「・・・・」
「手も綺麗になってきたし
バイト・・行くか?」
「・・・・いい・・の?」
「エミが
行きたいなら
行っていいんだ。
ずっと家の中になんて
いなくていい。
ごめん・・・・
ほんとに・・ごめん」
「カズマ・・・」
「エミは
したいことをして
行きたい所に
行っていいんだ。
俺の所に
帰ってきてくれたら
それでいいんだ」
「パン屋さんに
行ってもいいの?」
「いいよ」
「由香ちゃんに
会っても・・いい?」
「いいよ」
「おばさんに・・っ
会ってもいいの?」
エミの涙声を聞いて
俺も
涙が流れた
「あぁ・・
いいんだ。
会っていいんだよ。
俺は
エミを嫌いになったり
しないから」
「カズマ・・」
ぎゅっと
エミが
俺の身体を締め付けた
その時
無性に
エミの
笑顔が見たいと思った
この数日
そんなこと
思わなかったのに