続・捨て犬
第7章 怒ったり…しねぇよ?
翌日
俺は
さっさと仕事を切り上げ
電車に乗った
どんなチョコをくれるのか
考えてるだけで
顔がにやけて仕方がない
俺は
何度も下を向いて
そのニヤけた顔を
誤魔化していた
今年は
チョコもらえるんだなぁ
勤務先は
義理チョコ無しのルールが
まかり通ってて
女子社員からは
もらうことができないし
去年は
彼女もいなかったんだよな…
唯一
毎年必ずくれていた
母親も
もういねーし。
だから今日
俺は
やけに浮かれていたんだ
電車が
駅に着いて
俺は
いつものように
エミにメールをした
”駅に着いたよ”
bubu bubu
な、なんだなんだ??
いつもなら
ほとんど返信してこない
エミから
すぐにメールが届いた
”まだ、帰ってこないで”
え?
だって
早く帰って来てって
言ってたじゃないか……
”どうした?”
”まだ、帰ってこないで”
いや、だから
理由を聞いてんだってば(笑)
ま、いーか。
多分、何かしらの準備が
間に合わなかったんだろう
”わかったよ”
とメールをして
俺は
帰り道にある酒屋で
うまそうな酒でも
選びながら
時間を潰すことにした
今日は
高い酒じゃなくても
きっと
うまいに違いないけど