続・捨て犬
第7章 怒ったり…しねぇよ?
俺は
急いでドアを開けて
靴を脱いだ
なんでだよ…
部屋は真っ暗で
エミはいない
俺は
急いで携帯を取り出し
エミに電話をかけた
「もしもし・・」
「エミ?どこにいるんだ?」
「あ、あの・・あの・」
まずい
焦ってちょっと
口調がキツかったかな…
「家にいないからさ…
どこにいるんだ?」
「帰ったの?」
「あぁ、今、家。
エミどこ?
迎えに行ってやるから」
できるだけ優しい声で
俺は話をした
エミの声が
とても
小さかったから。
「エミ?」
「パン屋・・・さん・・」
「え?
萩原のパン屋?」
「ん・・・」
「バイト・・?」
「違う」
もう
行った方が早いな
俺は
荷物を置いて
玄関に向かった
「わかった、パン屋だな?
すぐ行くから待ってろよ?
いいな?エミ?」
「うん・・」
エミの返事を
聞く頃
俺はもう
階段を駆け下りていた