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続・捨て犬

第10章 がんばりたい

そして
次に発した言葉は

「・・ごめんなさい・・」

だった


え?
なんで?

謝るのは俺の方じゃ・・


「もう・・言わない」


どうしたんだよ


「なんで
なんで、ごめんなんだ?」


「・・わからない・・」


「え?」


「カズマが・・」


俺はエミの
小さな小さな声に
聞き耳を立てた


「うん
ゆっくりでいいから
話して?エミ」


エミが
一度大きく息を吸ったのが
背中越しに伝わる



「カズマが・・・


笑わないから」



え・・・・



「赤ちゃんの話してから

カズマ・・・


怒ってたから・・」




怒ってた?




「エミ、こっち向いて?」



エミは
振り返った瞬間に
俺の胸に
顔をうずめてしまった


「俺、怒ってないよ?」


何も言わないエミの
髪や背中を何度もなでると

エミは
俺の首に
腕を巻き付け

またぴったりと
俺にまとわりついた

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