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続・捨て犬

第10章 がんばりたい

「エミは
俺が怒ってると思って
元気なかったのか?」

俺の肩のところで
エミは
小さくうなずいた

ごめんな・・エミ


「ごめん・・
ちょっと考え事とか
してたかもしれない

それで
あんまり笑ってなかったかも

でも
怒ったりしてないんだ

真剣に…
エミのこと考えてた

エミのこと
心配してたんだ、俺・・」



「ほんと?」


消え入りそうな声で
エミがつぶやく


「ほんとだよ
怒ったりしてないんだ
大好きだよ・・エミ・・」


そう言って
俺はエミの髪に
頬をすりよせた


「まだ・・いい?」


「・・何が?」



「まだ・・・私・・」



「うん」



「ここに居てもいいの?」


「いいに決まってるじゃないか
エミがいなくなったら
俺、どうしたらいいか
わかんねぇよ
そんなこと言うなよ
ずっと
ずっと
居てくれよ、エミ」


エミを強く抱きしめると

エミも
俺に強くすがりついた


怒ってないと
伝えたのに

エミは
何度も何度も
ごめんなさいって
つぶやきながら

俺に
すがりついていた

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