続・捨て犬
第13章 なぁ、どっちだよ
「残り、何個かしら~?」
しばらくして
おばさんが
店から出てきた
「あと、3つです」
「そ、じゃ
終わりにしましょうね」
「あ、でも」
「1つは、エミちゃんに
1つは、我が家に
1つは・・・
バカ息子にやるわよ(笑)
カズマくん
明日仕事でしょ?
もういいから
早く帰って
お風呂入って寝なさいな」
「はい
じゃあ、すみません
最後まで売れなくて」
「いいのいいの
十分よぉ~
さ、早く着替えてらっしゃい」
「あ、あの・・・」
「ん?どうしたの?」
「このまま・・・
このまま帰っても
いいですか?」
「このまま?」
「はい
このまま」
おばさんは
ちらっと
エミを見たあと
大笑いしながら
「いいわよ
どーぞどーぞ」
って言いながら
店の中に入って行った
いつの間にか
一日の大半を
一緒に過ごしている
萩原のおばさんには
エミの
わずかな
感情を見せる表情が
読めるように
なってるのかもしれない
と思った