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続・捨て犬

第14章 あたり

アパートに帰って
エミの入れてくれた
コーヒー飲みながら

昼飯代わりの
パンを食べる



穏やかな
時間



こーゆーのが
幸せなんだなぁ
なんて


思う




パンを
食べ終えると

エミが
珍しく
テーブルも片付けずに
俺に近づき


足の間に
座ってきた



どうしたんだ?




「カズマ?」



背中を向けず
俺の方を向いて
俺の顔を
エミが見つめる



「ん?」




「ビール・・飲む?」




「え?ビール?

まだ昼じゃん」





「キス・・・する?」





「ま、まぁ・・

するか?」






「うれしい?」






「うれしいよ?」




そう言って

エミに
優しいキスをして

もう一度
エミを見つめた




「どした?

甘えたくなったのか?


もっと
してやるから

おいで」




吸っていた煙草の
火を消して

エミの
小さな背中に
手を回すと



エミが

小さく呟いた







「カズマ



元気・・ないね・・」





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