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続・捨て犬

第14章 あたり


最後に
萩原は

エミが
家に帰りたいとは
思ってないのかと

確認してきた



怖くて
帰りたくないと
思ってる


エミを
家に帰したら



きっと
エミは

生き地獄だと
俺は答えた




地獄の意味は
詳しく言えなかったけど


生き地獄という言葉を
聞いて



萩原は


苦い顔をしていた






そして



「それなら

お前は
なんも悪くねぇ」




そう言って




「ほんじゃまた」







振り向きもせずに





帰って行った。









俺は

なんとなく

ベンチから
腰を上げられないまま


ずっと
萩原の背中を
見つめていた




ありがとな




そう思いながら。








bububububu・・・・






萩原が
見えなくなった頃



俺の携帯が
震えた






ピッ





「どこ?」





もちろん

エミからだった

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