続・捨て犬
第15章 早く大人になって
「私、少し年上の
大好きな友人がいるんですけど
その友人の彼と
萩原さん
ちょっと似てるんです
その友人の彼は
友人よりも
すごく歳下なんですけど
それに
ちゃんと就職もしていなくて
なんだか
あぶなっかしい人で(笑)
でも
真っ直ぐに
友人を大切にしていて
その真っ直ぐさが
眩しいくらい
キラキラしてるんです
うらやましいな・・って
思ってました
ずっと。
そんな人に
巡り合えたらなって
ずっと思ってたんです」
「それが・・萩原?」
「はい。
最初は・・なんだか
ふわふわしてたんですけど
一度別れた後
萩原さん
私を真っ直ぐ見てくれるようになって
本心を話してくれるように
なったんです
本当に
やりたいことは
なんなのか
本当に
大事なものは
なんなのか
カズマさんには
内緒ですけど。
それで
萩原さんと一緒に
ゼロからスタートしてみたく
なったんです
大好きな
友人のように」
「・・そう・・か・・」
「カズマさん」
「ん?」
「だから大丈夫です。
カズマさん、萩原をよろしく!
とか言うために
送ってくださったんでしょ?」
図星。
「これから・・
色々あると思うけど
私、萩原さんを
信じてるので」
「そ、そうか
ならよかった。
ありがと
久保木さん」
「いえ、そんな・・」