続・捨て犬
第16章 いくつ?
その日の夜
俺はいつものように
アパートで
のんびりしていた
「カズマ…」
「んー?」
「ほんとに結婚式みたい…」
もちろん
エミは
俺の腕の中
昨日公園で撮った写メを
待受に登録すると
嬉しそうに微笑みながら
その画面を俺に見せた
「うん、かわいい」
「違うの
結婚式みたいって言ったの」
「うん、だからかわいいよ」
「カズマぁ…」
「だってエミが
超可愛いんだもんさ
仕方ないだろぉ?」
エミは
ちょっとスネたのか
照れたのか
ほっぺを
膨らませて見せた
「ゴメンゴメン(笑)
何が言いたかったんだ?」
俺はエミの携帯を持って
待ち受けを見ながら
柔らかい髪に頬ずりした
「あのね」
「あぁ」
「花びらが
結婚式と同じだな〜って」
「あぁ…ほんとだな…」
俺達が撮った写メは
桜の花びらが
俺達を包むように舞い
それはまるで
フラワーシャワーのようだった
萩原と久保木さんが
みんなに
祝福されてた時のように
その携帯の中の俺達は
とても
とても
幸せそうに
笑っていた