続・捨て犬
第18章 最終章②・・・カフェ
「エミは…家に…」
「あらそぉなの…
美味しいクッキー
用意しといたんだけど…
さ、入って入って」
おばさんに促されて
中に入ると
店の奥の方で
萩原が煙草を吸っていて
おじさんの姿はなかった
「よぉ」
軽い萩原の挨拶に
また
泣きそうになる
「おぉ」
「さ、座ってちょーだい。
おじさんはね
ちょっと仕込みやってるのよ。
だから……」
と、おばさんは
厨房近くの席の椅子を引いた
「ここでいいかしら?
そしたら
ウチの人も話聞こえるから」
「あ、はい。どこでも。
忙しいのに…
ほんと、すみません」
俺は
厨房の中のおじさんに
頭を下げて
椅子に座った
萩原は
相変わらず離れた場所で
煙草を吸いながら
俺を見ていた
『落ち着けよカズマ
打ち合わせした通りに
話せばいい』
そう
言われてる
気がした