続・捨て犬
第18章 最終章②・・・カフェ
「エミちゃん
家族の人達と…会いたくないの?」
少し
エミの涙が落ち着いてくると
おばさんは
エミの涙を
優しく手で拭った
「……」
黙ったまま
頷くエミを見て
おばさんもエミに
小さく頷いて見せた
「おばさんね
カズマくんからさっき…
全部聞いたの」
その言葉に
エミは顔を歪ませ
また
目に涙を浮かべた
「大丈夫。
怒ってなんかないし
エミちゃんが良ければ
ずっとずっとウチで
働いて欲しいと思ってるのよ?
でもね
おばさん…
エミちゃんの気持ちが
知りたいの
おばさん
まだよく理解できてないんだけど
エミちゃんがカズマくんと結婚したら
なんだか色々大変なことが
あるかもしれないのよね?
カズマくんは
店にも
迷惑かかるかもしれないって
心配してるんだけど…」
「おばさん、そのことなんですけど」
俺は
エミとおばさんの会話の
間に入った
「もう……いいんです」
「もう…いい?」
そう言いながら
おばさんは
俺を振り返った
その
おばさんの目は
エミと同じくらい
真っ赤で
俺は
これ以上おばさんに
甘えるなんてことが
できなくなってしまった
「結婚は…
籍を入れるのは
もう
やめました」