続・捨て犬
第19章 最終章③・・・本性
性的虐待のことを知ってる
萩原は
ただ
黙って
俺の話を聞いていた。
苦虫でも
奥歯で噛んだような
顔をしながら。
その時だった
「あのー
少し先に見える白い家だと
思うんですけど」
タクシーの運転手に声をかけられ
「あ、じゃあここで。
ここで降ります、止めて下さい」
そう言って
俺達はタクシーから降りた。
それから
エミの家に間違いないかどうか
表札を確認するため
俺達は周囲を気にしながら
歩いた。
そして
表札が目に入ると同時に
俺達の足は
ピタリと止まり
「マジかよ…」
息を飲んだ。
その
白い家は
間違いなく
周囲とは明らかに格差を
感じさせるほどの
豪邸だった。