続・捨て犬
第19章 最終章③・・・本性
「な、なぁ
エミちゃんって
金持ちだったのかよ」
「声でかいって!
ちょっと…あっちに」
萩原が
あんまりデカい声をだすから
俺はおばさんと萩原の
腕を掴んで
物陰に隠れた
時間を確認すると
もう18時を回っていた
「電気ついてないから
誰も居ないのかしらねぇ…」
エミの家は
かなり立派
その家に
電気の灯りはついていなかった
「も、もしかしたら
エミが中に監禁されてるかもしれないし
俺、ちょっと様子見て…」
その時だった
一台の高級車が現れ
俺達の横を通り過ぎると
エミの家の前で止まった
「ちょっ、あれ!」
「エミの親父かもしんねぇ…」
突然
身震いのようなものが
俺を襲うと
なんとも言えない
不安に覆われ
ガーレージのシャッターが
静かに上がると同時に
心臓が飛び出しそうなほどの
鼓動が始まった