続・捨て犬
第19章 最終章③・・・本性
ピーンポーンピーンポーン
ドン!ドンドンドンっ!
ピーンポーン…
俺は夢中で
インターフォンを鳴らしながら
玄関のドアを叩き続けた
こんなに豪邸なんだ
セキュリティは万全なはず
見知らぬ男が
ドアを叩いてることに警戒してるのか
なかなか
あの男は顔を出さなかった
ドン!ドンドンドンっ!
ピーンポーン
いや
もしかしたら
エミを連れ戻しにきたことが
バレてるのかも…
くそっ
と、その時だった
『ガチャ!』
ドアが勢いよく開き
中から顔を出したのは
さっきとは打って変わって
不機嫌そうな顔をした
あの男だった
「うるさいじゃないか!
何の用だ!」
凄みのある声に
俺がたじろいだ瞬間
いつの間にか
背後に萩原とおばさんが
立っていること気が付いた
多分
おばさんは
目を丸くして驚き
『話せばわかる人』と
判断したことが間違いだったと
思ってるだろう
「あっ…あの……」
「誰だ!お前!」
誰だ…お前?
その言葉を聞いて
思った。
そうか
俺のことは知らないんだな?