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続・捨て犬

第20章 最終章④・・・着信


でかい門を通り過ぎ
俺達が
やるせない気持ちのまま
ガレージの前を歩いていると

萩原が
勢いよく
俺の肩を叩いた


「おいカズマ
泣いてる場合じゃねぇぞ
エミちゃんの居場所は
まだ分かってねーんだ」



「あぁ、わかってる。
あんなに親父を怖がってたエミが
そう簡単に帰れるわけないとは思ってたんだ。

けど・・

本当にココに居ないことが分かったし
あんな野郎のところに
今までエミを帰さなくて正解だったと
心底思えたから・・
とりあえずよかったよ」


「そうね・・
あんなに恐ろしい人だなんて
思わなかったわ。
カズマくん
ごめんなさいね?
親の立場だとか・・色々言ったりして。
でももう決めたわ。
おばさんが
エミちゃんの親になる。
だから探しましょ!エミちゃんを!」



「おばさん・・
ほんとにありが・・ん?」


シャッターが開いたままの
ガレージの奥


微かな物音と共に
すすり泣くような声が聞こえた

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