続・捨て犬
第20章 最終章④・・・着信
カラオケすまいるは
繁華街にある
小さなカラオケだった。
2人で部屋に入ると
俺はすぐに
エミを抱きしめ
スーーッと
エミを取り巻く空気を
肺いっぱいに吸い込んだ
エミだ…
俺の…エミ
「…カ…」
「エミ…」
「……カ…」
「いいよ、無理すんな。
怖かったんだろ?
久しぶりに
あいつの怒鳴り声なんか聞いて」
そう言った瞬間から
エミはまたガタガタと震えだし
俺に思い切り抱きついた
「大丈夫だ、もう大丈夫だから」
かわいそうに
このトラウマから
解放されることは
一生ないんだろう
だから
だからこそ
俺は
「心配すんな。
一生守ってやるから」