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続・捨て犬

第20章 最終章④・・・着信

俺は
何をやってたんだろう

エミを
笑顔にさせたい
そればかり考えてたはずなのに…。

エミを守ろうとすればするほど
笑わなくなって
真剣になればなるほど
眉間にシワをよせ
結婚しようとすればするほど

俺は

口数も少なく
なっていたかもしれない。


けどそれは
迷惑なんかじゃ
ねぇのに…



エミの心の傷は
あまりにも深い。


愛された記憶のない人は
愛されようとする

愛されるために
生きようとする

自分を偽ってでも
愛されたくなる

必要だと思われたい

嫌われたくない

だから

甘えることも
頼ることも
うまくできず

迷惑もかけちゃだめ
……か…。


そんなこと
分かってたつもりだったのに
俺は
うっかり
忘れてしまってたんだな…


ごめんな

エミ

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