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続・捨て犬

第20章 最終章④・・・着信



「ここに名前のある人
みーーんな
エミが居なくなったら
悲しいんだ。

エミのことが
大切なんだよ。

エミを
助けることを
迷惑だなんて

思ってねーんだ…


エミ

みんなに迷惑かけたくなくて
父親に
自分のこと探すなって
言いに行ったんじゃないのか?

けど

やっぱり怖くて
会えなくて

ガレージに
居たんじゃないのか?」



エミは

ゆっくりと
頷き
すすり泣きをはじめた


「私のっ…

私のことで
…っ…おばさんが

おばさんが

泣いてたから…っ…


みんな

みんな
笑わなくなって


カズマも…っ…


カズマもっうっ…



ずっと

笑わなくっ…なってたから…」



俺は
その言葉に
ハッとした。


結婚しようって話を
ずっとしてきたのに
確かに
エミと話をする時も
萩原と打ち合わせする時も


誰も
笑っちゃいなかった。


結婚って
幸せなことのはずなのに…。


おばさんに告白した
あの日も

おばさんは
確かに泣いていて
「おめでとう」
なんて言葉
言ってただろうか。


エミは

俺達の結婚が
祝福されることではなく
迷惑なことだと

感じたんじゃないだろうか…。


だから
俺が結婚をやめると言ったことに
自分も同意したんじゃないだろうか。


「大切な人には

迷惑かけちゃ


だめなの」




「エミ…」

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